Cha-ble_Vol16
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 ぽってりとした大粒の身と濃厚な味わいが特徴の広島かき。出荷は10月から5月までですが、旬はかきがたっぷりと旨味を蓄える1月から2月。この時期、店頭には「生食用」と「加熱用」の2種類がお目見えしますが、違いはどこにあるのでしょう。  米田さんに尋ねると「鮮度ではなく指定海域の違いです」と教えてくれました。かきは1日におよそ300リットルもの海水を体内に取り込み、そこに含まれる植物プランクトンを食べて成長します。そのため広島県では養殖海域の水質の違いで「生食用」と「加熱用」に分ける海域指定がなされており、沿岸部で採れたものの多くが「加熱用」、沖合の清浄海域で採れたものの多くが「生食用」として出荷されます。定期的な水質検査によって、衛生状態をつねに厳しくチェックしているのも広島かきの特徴の一つです。 旨い魚には理由がある 広島産 岡山県 広島県 香川県 愛媛県 島根県 山口県 海の旨味をたっぷり蓄えた 味が自慢の生かき。 安全・安心で確かな品質を 食卓にお届けします。 生産量日本一! 瀬戸内の海の恵み 鮮度の違いではない 「生食用」と「加熱用」  広島県は国産かきの約6割を占める生産量日本一の産地。中でもカスミで取り扱う広島産の生かきは、鮮度や安全安心にこだわった高品質の生かきです。おいしさの秘密を探りに10月の水揚げ解禁とともに産地を訪ねました。  朝6時半、港から船で広島湾に浮かぶ「かきの筏」を目指します。案内してくれたのは明治初期から100年以上続く養殖かきの老舗問屋「米分一」の米田直邦さん。10月中旬とはいえ船の上はかなりの寒さ。真冬の水揚げを想像するだけで漁師さんたちの苦労が忍ばれます。  20分程で沖合の漁場に到着。水揚げ作業が始まります。船のクレーンが吊り上げた先には瀬戸内の海の恵みで育ったかきが鈴なり。かきを結んでいた針金を切断すると、船の上にドサドサっとかきの山。解禁直後のため「本格的な水揚げはまだ先」とのことでしたが、その迫力に圧倒されました。船は港に戻ると、かきの洗浄や選別などの作業にかかります。 株式会社米分一 代表取締役 米田 直邦さん 海から引き上げられる鈴なりのかき。かきの幼生をホタテ貝の貝殻に種付けしてから収穫まで早いもので11~12カ月かかります。 海のミルクと呼ばれるかきはビタミン、タウリン、亜鉛、グリコーゲン等が豊富に含まれる栄養の宝庫です いかだ よねぶんいち

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