Cha-ble_Vol16
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7明日をつくる「つながり力」「つながり力」 食のプロを育む風土と仕組み  採用されるパートナー社員の中には、企業の勤務経験をもつ人もおり、仕事に対する意欲や資質が高いのも特徴です。こうした期待に応えるために、カスミはプロを育む風土と仕組みづくりに努めています。その一つが技術資格認定制度。レジ・鮮魚・デリカ・青果の各部門で1〜3級のレベルに応じた実技試験と筆記試験を行うもので、現在1千680名(2013年8月末現在)が資格を取得しています。 資格は更新制のために1年ごとに再受験する必要があり、技術やサービスレベルの維持に役立っています。さらに有資格者には手当が加算されるため、向上心ややりがいにもつながっています。 東郷店(千葉県茂原市)の鮮魚部で働く阿部和子さんは鮮魚1級。1級取得者は約1万3千名の従業員の中で38名という狭き門です。子育てが一段落したのを機にカスミに入社して7年。大学卒業後は化学会社で成分分析のエキスパートとして働いた経験もあります。 そんな阿部さんが鮮魚1級を目指したのは「技術を磨くおもしろさ」から。しかし簡単ではありませんでした。実技試験は鯛の姿づくりと重さ5キロのブリをおろす刺身づくり。小柄な阿部さんにはブリを持ち上げることさえ至難の技でした。試験前の1カ月は勤務時間外に作業場で連日特訓。教材として商品を買って帰り自宅でも練習。「あの頃の夕食は毎晩お刺身でした(笑)」と阿部さん。そんな姿に上司の葛西チーフも技術指導役として寄り添いました。それでも一度目は不合格。再挑戦で合格して以来、毎年合格を続けています。 心がけているのは「主婦目線の商品づくり。お客さまに損をさせなければ次も買っていただける。試験を受けることで自分の技術レベルをつねに確認できる」と話します。 生活者の「いいね!」に応えるソーシャルシフト  今年度、カスミの経営テーマは「ソーシャルシフト」。お客さまを単なる消費者としてではなく、より良い生活を望む地域の「生活者」ととらえ、対話と交流による生活者志向の店づくりを目指しています。そのモデル店舗であるフードスクエア越谷ツインシティ店(埼玉県越谷市)では、フェイスブックを使ったお客さまとの対話や主婦目線の売場づくりなどソーシャルシフトの店づくりを実践しています。 中でもヒット商品となったのは「選べる食卓」。十数種類の商品を自由に組み合わせて選べるカップ入りの惣菜バイキング。価格も1個100円〜200円と手頃で、「簡単、便利で、ちょっぴりオシャレに」というコンセプトは部門を越えて集まる女性従業員のミーティングから生まれました。活動に参加する一人は「アイデアを出すのは大変ですが、自分たちが買いたいものを売りたいから楽しい」と話します。 同じ生活者という立場での売場づくりがお店に活気を与える新たな一歩となっています。❶自分たちが考案した商品の試作を前 に議論も白熱❷主婦目線が好評のカップ入り惣菜 バイキングコーナー「選べる食卓」❸生活者視点で自分たちが買いたい ものを商品化しています❹フェイスブック上でお客さまと対話 する店長❷❶❸❹技術レベルの向上が売場レベルのアップに直結します

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