Cha-ble_Vol19
5/16

みがあり、マルエツのマーケティング手法をぜひ学びたいと思っています。小濵 全く異なるマーケット環境で培ってきたノウハウだからこそ、互いに学び合えることがあるということでしょうね。 学びと気づきという点で、それぞれの従業員に何を期待しますか?上田 マルエツ、カスミ、マックスバリュ関東は店同士が近くにあります。3月にオープンした越谷レイクタウンのカスミとマルエツの店舗は直線距離で400メートル。時に同士であり、時にライバルでもあるという関係です。 そういう中で、両店で今、現場の交流が思った以上に進んでいます。ベーカリー部門でお互いのメロンパンの製造方法の違いについて売場の責任者同士が情報交換をしている。いいことだなと感じました。こういうフランクな交流が自然発生的に現場で起きているのは、まさにU・S・M・H効果と言っていいと思います。小濵 一番大事なのは現場の交流。上田 「カスミにこういう商品があるから、うちもこんな商品を作りたい」といった話が現場からどんどん上がってくる。そのときに本部が売上は教えちゃダメだ、なんて言ったら終わってしまう。現場に交流したいという気持ちがあるなら、我々はそれをどうすればサポートできるかというスタンスで、交流を促していくことがホールディングスの役割です。小濵 近ごろパートナーさんも隣のお店の様子をフェイスブックに上げている。3社の現場レベルの人材交流のための場づくりをもっと増やしていくことが必要ですね。大事なのは従業員への期待より、従業員が我々に何を期待するか。真摯に耳を傾けることが一番大事です。上田 パートナーさん同士の交流はすごくいいですね。共通の悩みや目的を確認し、そこから見えてきた課題を解決していく。藤田 まずは現場の交流。制度的、組織的な交流はその後でいい。形だけの人材交流はむしろ必要ないと私は思います。上田 トップダウンでは「やらされ感」しか残らない。むしろ、「地場の野菜←上田 スーパーマーケットは人間産業。お客さまに1品買っていただくために血のにじむような努力を積み重ねます。しかも、それをできるのは装置でもシステムでもない、人間だけです。だから人が好きな人にとって小売業はすごく面白い仕事。そのうえU・S・M・Hは今後、オムニチャネルや新業態開発など新たなステージが広がります。若い人たちにぜひ挑戦してほしい。藤田 求める人物像は楽しむことが好きな人、人を楽しませることが好きな人。我々が目指すのは、そういう思いに共感する人が集まってつくる楽しいスーパーマーケットです。小濵 人は「つながる力」によって豊かさを感じ自らも成長していける。小売業は平和産業であり、人間産業であり、民衆産業。その良さはこれからも伝えていきたいと思っています。(4月10日、秋葉原のU・S・M・H本社にて収録)農家との接し方についてカスミから学びたい」といった従業員のニーズを歓迎したいですね。小濵 小売業は現場が一番。U・S・M・Hへの注文や期待も含め、現場の人たちのさまざまな課題を直視することがシナジー効果を引き出す近道と言えるでしょう。若者よ、人間産業へ株式会社カスミ代表取締役会長。1941年生まれ。1965年神戸商科大学卒業。株式会社ダイエー入社。 マルエツ副社長、ダイエー専務取締役などを経てカスミ入社。2002年から2010年まで代表取締役社長、2010年より会長職。大阪府出身。U.S.M.H株式会社代表取締役会長小濵 裕正(こはま・ひろまさ)参画する企業が透明性を高め磨き合えるオープンな仕組みが大事(藤田)株式会社カスミ代表取締役社長。1955年生まれ。1978年明治大学卒業。株式会社カスミ入社。業務サービス本部マネジャー、常務取締役、専務取締役などを経て、2012年3月より代表取締役社長。茨城県出身。U.S.M.H株式会社取締役副社長藤田 元宏(ふじた・もとひろ)

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です