Cha-ble_Vol22
10/16

醤油は昔から、日本人にとってなくてはならない調味料。茨城県ひたちなか市には、地元で100年も愛され続けてきた醤油があります。それが、明治38年創業の黒澤醤油店が造る『富士仁』。初代・黒澤仁右衛門が醸造した醤油は日本一と喜ばれ、日本一の富士山にちなんで富士仁と名付けられたといいます。今も木桶から製法まで創業当時のまま、4代目・黒澤仁一代表取締役が伝統の味を守っています。「蔵に棲みついている酵母菌や乳酸菌が富士仁の味を造ってくれます。寒に仕込み、梅雨の時期に菌が活発に繁殖し、夏にじわじわと醗酵が進み、秋口からゆっくりと熟成していく。そうすることによって、味、色、香りに深みと広がりが生まれます」一般的な醤油の熟成期間が2〜6か月なのに対し、富士仁は1年以上かけてじっくり熟成させるのが大きな特徴です。時代とともに食習慣が変化するなか、より簡単・便利に醤油を取り入れてもらおうと、黒澤さんは富士仁をベースとしたあわ漬、ぽん酢醤油、万能つゆ、焼肉のタレなどを開発しました。あわ漬で野菜だけでなくゆで卵やチーズを漬けたり、ぽん酢醤油にオリーブオイルを混ぜてドレッシングにしたりと、ひと工夫することで料理の幅を広げられるのも魅力です。「醤油に親しみを感じ、どんどん手に取っていただけるよう、メニュー提案をしながらご紹介しています」カスミでは、水戸市とひたちなか市の7店舗で6種類の商品を販売。また、蔵から最寄りのフードスクエアカスミひたちなか笹野店では、富士仁を味付けに使った唐揚げが人気を集めています。サクッと揚がった唐揚げは、噛むほどにコクのある旨みとほのかな醤油の香りが口一杯に広がり、あとを引く美味しさです。伝統の蔵から、地域と時代のニーズに合った商品が生まれていきます。有限会社黒澤醤油店の黒澤仁一代表取締役。創業100周年を機に米蔵と倉庫を店舗に改装し、PRにも力を注ぐ味付けのベースに富士仁を使用し、その旨みをぎゅっと閉じ込めた唐揚げ富ふ士じ仁に(茨城県ひたちなか市)黒澤醤油店10

元のページ 

page 10

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です