Cha-ble_Vol22
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子育て地蔵も見守る商店街のまち板橋板橋は江戸時代に栄えた宿場町。江戸と京都を結ぶ中山道の、日本橋から数えて最初の宿場町が「板橋宿」でした。東武東上線の上板橋駅で降り、南口に出ると目の前に「上板南口銀座商店街」の入口がありました。商店街をぶらぶら歩くと果物屋さんやタバコ屋さん、いい雰囲気の甘味処や香辛料の量り売りをするお店など、どこかなつかしい昭和ノスタルジーの風景と出会います。商店街のホームページによれば、かつてこのあたりは農村で商店も少なく、人々は「よろず屋」と呼ばれる何でも屋さんで食料品から文房具まで生活に必要なものを買っていたようです。よろず屋はいつも主婦やお年寄り、そして子どもたちでにぎわう、いわば商店街の原点なのかも知れません。商店街をさらに南に進むと、「子育て地蔵」と書かれた赤い提灯のお堂。お参りすることにしました。お堂の中には二体のお地蔵様。由来の書かれた立て札を見ると、江戸時代に造立されたもので、一度は荒れ果ててしまったものの、大正時代にその姿を哀れんだ豆腐屋の店主が現在の場所に移し、周囲の商店主らと共に大切にお祀りしてきたそうです。時折、地蔵堂の前で立ち止まり、手を合わせる人の姿がありました。にぎやかな商店街の中で、人々の素朴な願いを引き受けるお地蔵様の存在は、なんとも風情があります。気持ちがほっこりする商店街のまち。そんな板橋にもフードスクエアカスミ板橋前野町店があります。絵=古山 浩一13

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