Cha-ble_Vol22
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店内では栄養アドバイザーが食生活相談もしてくれます買い物中はカートロボットが商品選びを手伝ってくれる帰宅すると商品が到着。家事支援ロボットと一緒にCooking!!うれしい!届いてる!冷蔵庫に「ビーフシチュー」と話しかけると・・・「玉ねぎと牛肉がありません」と冷蔵庫がお知らせ今日の夕食はどうしようかな?栄養アドバイザーとカートロボットがお出迎えカスミから「今夜はビーフシチューはいかがですか?」と提案国産牛肉がおすすめです余ったワインで作れるヘルシー料理はないかしら?赤ワインも合わせていかがですか?いらっしゃいませ食生活相談コーナーにもお立ち寄りください鶏と野菜の赤ワイン煮込みはいかがですか?赤ワインはお料理に使っても健康効果が期待できますよ株式会社カスミ代表取締役会長。1941年大阪府生まれ。1965年神戸商科大学卒業。株式会社ダイエー入社。 マルエツ副社長、ダイエー専務取締役などを経てカスミ入社。2002年から2010年まで代表取締役社長、2010年より会長職。小濵 裕正(こはま・ひろまさ)理由もそこにある。逆に言うと、そこが人間の得意とするところですよね。 スーパーマーケットは効率化を求めるあまり、人間らしいふれあいをおろそかにしてきた面がある。大事なのは効率より効果。これからは正確さや速さを求める仕事はAIやロボットに任せ、人間は人間にしかできない仕事をやっていくべきでしょう。野田 接客業に関わるAIの研究チームがあるのですが、やはり効率化が壁になります。たとえば日本料理店の仲居さんは独特の所作や気働きが特徴ですが、どうすればその動きを最小化し最適化できるかで議論が止まってしまっては意味がないのです。ちょっとした仕草からお客さんの意思を読み取って商品を提案したり、作業の効率化で生み出した時間を別のサービスとして満足感につなげたり、新しい価値の提供にAIを活用していくことが本当の意味での効率化だと思います。野田 あらゆることが便利になり過ぎて、技術のブラックボックス化が心配です。何か不具合が起きても、なぜおかしいか想像さえつかない。便利さのあまり過度に機械を信頼してしまって大きな事故を招くケースも少なくありません。小濵 ロボットを使うのであれば最低限の知識は持っておく必要があるでしょうね。ロボットにそれ以上求めていいのか、求めない方がいいのか、求めることでどんなトラブルが起きる可能性があるのか、そういう教育が重要です。そこが欠けると人間はロボットに使われてしまう。野田 人間を馬鹿にするような技術はよくないと私は思っています。自転車という道具がすばらしいのは、乗りこなすために人間が学ばねばならないからです。仮に自動運転が普及して全く学ばなくなったら、人間は退化するだけです。技術の限界も把握しながら、使いこなしてこそ人間です。優れた技術を作り出すだけでなく、中身がどうなっているかを分かりやすく広めていくことも研究者の役割だと思っています。小濵 技術革新によって暮らしが便利になることはとても大切です。しかし、それ以上に大切なのは愛と情熱と勇気です。それは人間の本性で、どんなにAIが発達しても満たされないでしょう。野田 原始時代の人間は1日の大半を食糧確保のための時間に費やしましたが、文明が進むにつれて人間は芸術や愛にも時間を割けるようになりました。人類は再びほんの少し進もうとしている。それが第4次産業革命ではないでしょうか?小濵 その先に第5次産業革命も出てくるでしょうか?(笑)野田 新しい何かが出てくるかもしれませんね。(笑)(2016年10月31日、産業技術総合研究所つくばセンターにて収録)怖いのはブラックボックスAIをはじめとする技術革新とリアリティをもって向き合う時期にきているAIやIoTでスーパーの買い物はこう変わる!?産総研の最新研究を展示品などで紹介するサイエンス・スクエアつくば9

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