Cha-ble_Vol23
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10 海に囲まれた日本で、身近な伝統食として愛されている魚の干物。焼き立ての香ばしさが食欲をそそり、表面はパリッ、身はふっくらとした食感とともに、凝縮された旨みが口いっぱいに広がります。 海の幸に恵まれた大洗町には、多数の水産加工会社があります。なかでも干物一筋で古い歴史を誇るのが、大正12年創業の「スケトラ」。初代が干物の行商を始め、2代目が工場を整備してキンキや柳ガレイなど高級魚で商売を拡大。3代目の頃からシマホッケとアカウオを中心とし、現在は4代目の高崎俊光代表取締役がていねいな加工と良質な素材へのこだわりを継承しています。 カスミと取引が始まったのは2009年。味、ボリューム、値ごろ感の三拍子が揃うシマホッケの干物で人気に火が付き、アカウオ、昆布醤油味や帆立醤油味など取り扱いアイテムが増え、全店舗で販売されるようになりました。そうした中、2011年1月に3代目が急逝し、3月には東日本大震災で工場が津波にのまれ、一時は廃業も考えたといいます。「復興の支えとなったのは、カスミのバイヤーさんがスケトラさんの品質は他には代えがたいから工場の再開を待つと言ってくれたこと。その言葉を励みに、震災5か月後に出荷を再開することができました」と振り返る高崎社長。 約2年前にカスミの提案で『大洗づくり』のラベルを作成し、プレミアム感の演出と地域のブランド化を図ったところ、さらに売上が上昇。リピーターが多く、贈答用の購入も増え、カスミで取り扱う干物の中でスケトラのシマホッケは売上1位を誇っています。「﹃スケトラ﹄の干物はいつ買っても間違いなく美味しい、という信頼を得るため、ブレのない商品づくりを最重視しています」と語る高崎社長。カスミへの来店を誘う求心力となるような、魅力的な干物を安定して作り続けることを目指しています。スケトラの干物(茨城県東茨城郡大洗町)株式会社スケトラの高崎俊光代表取締役。創業94年の伝統を守りつつ、カスミとともに大洗の知名度向上や活性化を視野にPR。

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