Cha-ble_Vol23
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13サラブレッドを育む湖畔の村美浦絵=古山 浩一 霞ヶ浦に面する美みほ浦村。小高い丘の上から眺めると、広がる緑の田園に気持ちが解きほぐされる気がします。 この豊かな湖畔で人が暮らしを営み始めたのは、およそ1万年前の縄文時代。それを証明するのが、「日本考古学の原点」と言われる陸おかだいら平貝塚です。不思議なのは、霞ヶ浦が淡水の湖であるにもかかわらず、この貝塚から出土する貝が海水性であること。縄文時代に日本で発生した海水面の上昇(縄文海進)が原因ではないかと言われています。 茨城県に二つしかない村の一つである美浦村には、国内に二つしかない中央競馬会のトレーニングセンターのうちの一つがあります。JRA美浦トレーニングセンター(通称トレセン)では、東京ドーム48個分の広大な敷地で約2千頭の競走馬を調教し、従事する1千人以上の騎手や調教師とその家族が生活しています。 そのトレセンと美浦村の農業が、実は深い関係にあると聞いて驚きました。トレセンの厩舎から出る敷きワラたい肥を利用した、マッシュルームや米づくりが盛んです。中でも美浦村のマッシュルームは根づきのまま出荷するため鮮度が続き、レモン果汁を絞って生のままサラダやマリネで楽しめるのも特徴。サラブレッドだけでなく、トレセンは“おいしさ”も育てていました。 春には木原城址城山公園に6万本のチューリップ。そんな美浦村に、この春、フードスクエアカスミ美浦店がオープンしました。

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