Cha-ble_Vol23
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7だれでも手軽に始められる全身運動小濵 エアロビクスとエアロビックは違うんですか?  宮本 エアロビックは、アメリカの軍医ケネス・H・クーパー博士が提唱した「エアロビクス」理論を起源として、1980年代に健康・体力づくりのための運動プログラムとして日本に紹介されたのが始まりです。小濵 お医者さんが考えた学問なんですか?宮本 その頃アメリカの軍人の間で「黄色い心臓」が問題視されていました。小濵 黄色い心臓?宮本 内臓脂肪のことです。食生活や生活習慣を改善することで軍人の内臓脂肪を減らしたいと考えた博士は、水泳、自転車、ジョギングなどさまざまな有酸素運動を「エアロビクス」と呼んで軍隊生活に取り入れました。 その後、日本では音楽に合わせて楽しく踊るエアロビクスダンスがフィットネスクラブなどに普及しましたが、「エアロビック」はそこから発展した競技スポーツです。小濵 私たちのお店でもファイブ・ア・デイ運動というアメリカ生まれの健康増進運動をやっています。野菜や果物を1日に350グラム食べて生活習慣病を予防しようという運動です。また、年間約1万人の園児や児童をお店に招いて食の大切さを学ぶ食育体験学習も行っています。 ところで、宮本さんとエアロビックの出会いについて聞かせてください。宮本 30年前、2人の息子の子育てで心身ともに疲れきっているときに、毎朝テレビ番組でインストラクターがアメリカンポップスに合わせて踊っている姿を見るのが楽しみでした。その後、子どもが幼稚園に入ったのをきっかけにフィットネスクラブに通い始めたのですが、だれでも手軽に始められるのがエアロビックの魅力です。小濵 カスミにもイートインコーナーを使って、エアロビックや健康体操を毎週やっているお店があります。地元インストラクターの体操教室や市町村の出前教室の会場としてカスミが無料で場所を提供しているのですが、「みんなと一緒に踊れて楽しい」「仲間と楽しんだ後に買い物もできて便利」とお客さまからも好評です。 体操の他にも、ヨガ、工作、料理教室などお店によって、さまざまなイベントをイートインコーナーを使って実施しています。地域の公民館などにも教室はあるようですが、参加者にはスーパーマーケットの身近さが受けているようです。宮本 公民館は有料化や予約の手間などの理由で教室の継続が難しい地域もあるようです。また、利用経験の少ない高齢者などはその場の雰囲気に気後れしてしまって参加すること自体を億劫に感じてしまうケースも少なくないようです。 でも毎日のように行くスーパーマーケットなら、家に閉じこもりがちな高齢者もお弁当やお惣菜を買いに行きますから、そのときに何となく面白そうだなって近づいてみたり、誰かに声をかけられて一緒に体を動かしてみたり、交流が生まれていいですね。スーパーマーケットの中に体操の広場のような場所があれば、買い物ついでに体を動かす高齢者が増えるかもしれません。高齢者も、親子も心と体の健康づくり小濵 地域社会に高齢者が増え、中には外出頻度が極端に減って家に閉じこもりがちな方もいます。閉じこもりが続くと、食生活の偏りで栄養バランスが崩れたり、人との交流が減って認知症や寝たきりなど介護が必要な状態につながりやすくなると言われています。宮本 いま私たちが普及に力を入れているものの一つが高齢者も楽しめる「※スローエアロビック」です。軽快な音楽のビートにのって行う競技エアロビックとは違って、「ゆっくり、気分よく」体を動かす軽運動で、手軽にできて体への負担も少なく続けやすいと好評です。習慣的に体を動かすことで介護予防にもつながると言われています。小濵 健康には二つあって、一つは体を動かすことによる体の健康。もう一つは心の健康で、これは人との対話や交流があっ地元インストラクターの指導で毎週水曜日に行われるイートインコーナーを活用した体操教室(フードスクエアカスミひたちなか笹野店)※スローエアロビック公益社団法人日本エアロビック連盟が提案する「疲れずに楽しく実践できる、健康寿命延伸プログラム」。筑波大学の征そや矢英昭教授の研究により、軽い運動でも脳科学の面から認知症予防の効果があることが立証されている。

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