Cha-ble_Vol24
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藤田卓さん、史子さん夫妻と、母の公子さん。「目が行き届く範囲で良質なりんごを販売したい」と家族経営を貫く1.5ha超の広大な農園で、約50品種のりんごを栽培(茨城県大子町)藤田観光りんご園1ホールに、小振りな紅玉なら4〜5玉、大ぶりなふじなら2〜3玉も使用した、りんごが主役のアップルパイアップルパイ奥久慈りんごで有名な県北の大子町。町内には50軒を超える観光りんご園が連なります。もぎたてのりんごに加え、もう一つの名物がアップルパイ。その中でも、りんご農家の自家製アップルパイとしてひときわ人気を集めているのが、藤田観光りんご園です。樹上完熟のりんごが豪快に詰め込まれ、爽やかな風味と食感を存分に堪能できます。そもそもりんご栽培を始めたのは昭和34年。「当初は日立市など各地の市場まで行商に歩き、りんご産地として認識されるようになったのが約30年前と聞いています。寒暖の差が大きい大子町のりんごは、味が濃くて色づきも良いのが特徴です」そう語る藤田史子さんは、嫁いできて数年経った平成13〜14年頃、アップルパイ作りに乗り出しました。きっかけは、県の農産加工指導センターの講習です。「どこにでもあるアップルパイではなく、オリジナリティの高いものを作りたい。そう考え、りんごを大ぶりにカットして食感を残すことと、生地から手作りすることにこだわり、お客さまの声を聞きながら試行錯誤を重ねました」パイ生地にスポンジ生地を重ね、ローストしたくるみ、シナモン、ラム酒漬けレーズンがアクセント。りんごの品種を時期によって変えながら、一年を通して生産しています。年間約100ホールからスタートし、現在は約8千ホールまで拡大。直売のほか、道の駅「奥久慈だいご」でも販売しています。カスミとの出会いは、昨年の「アグリフードEXPO東京2016」でのこと。カスミの担当の強い要望や熱意と史子さんの気持ちも重なり、今年のカスミ「冬ギフト」(産直ギフト)として全国に販売することとなりました。現在は奥久慈りんごの美味しさを伝えるために、アップルパイのほかにもさまざまな新商品の開発に楽しみながら取り組んでいます。10
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