Cha-ble_Vol25
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70度はうまみとコク、80度はうまみと苦みのバランス、90度はアツアツほろ苦が楽しめる。湯温を強調したパッケージで新商品をPRカスミ地域商品開発部 岸田 優子Best Local Supermarket地域愛サポーター!するだけでも、蒸し、葉打ち、何段階もの揉み、乾燥まで驚くほど多くの工程が重ねられます。同じく仕上げも、分別、焙煎、異物検査、ブレンド、真空パックと重要な工程の連続です。「蒸すときは装置につきっきりで、その日の茶葉に最適の蒸し具合を見極めます。また焙煎は独自の技術でゆっくりと芯から火を入れ、お茶の甘みを最大限に引き出します」これらすべての工程を一貫管理し、安全安心な商品に仕上げています。茶師の伝統技術から新感覚の商品が誕生根本さんは製茶工場へ積極的に設備投資をしてきました。8年前に増築した仕上げ工程の工場は、高性能な焙煎機をはじめ、製茶工場で唯一異物検査機を導入するなど、目を見張る充実ぶりです。しかし、増築直後に東日本大震災が発生。風評被害で売上は半減しました。「取引中止が相次いだため、震災を機に卸から直販に転換しました。震災前に工場見学に来てくれたお客さまが、震災後も変わらぬ信頼を寄せてくれたことを思うと、直販ならお客さまに接しながら信頼関係を築いていけると考えたからです」そうした中、カスミとの取引がスタートしました。そして、お客さまのニーズに合った新商品を作ろうと、共同開発が動き出します。1年かけて完成させたのが、お湯の温度別に楽しめる3種類の茶葉です。根本さんの茶師の技術を活かし、70度、80度、90度の各温度用に茶葉をブレンド。パッケージには、一目でわかるようお勧め温度を明記し、差別化を図りました。2017年からカスミ全店で販売。お客さまの多様なニーズに応えています。「ブレンドは茶師の伝統技術。たとえ悪天候や不作でも、毎年同じ銘柄を同じ味に整えるのが茶師の仕事です」伝統技術を大切にする根本さんは、手揉み製法を継承。7時間かけて針のように細長く揉んでいく究極の技を通して、茶葉と向き合っています。根本さんの願いは、お茶を飲む習慣を広げること。急須を使って淹れることにより、甘みが強くまろやかな味わいから、熱々でほろ苦い味わいまで、さしま茶の世界が豊かに広がります。地元産のお茶で新商品を共同開発設備が充実したきれいな製茶工場に、根本園さんの誠実さや積極性が表れています。工場見学、紅茶づくり体験、日本茶の淹れ方セミナーなども実施。消費者ニーズに敏感だからこそ、温度別で日本茶を楽しむという、これまでにない商品開発に一緒に取り組むことができました。パッケージは、お客さまへの伝わりやすさを重視。地元産銘茶の魅力を、カスミの店頭から発信していきます。茶園は坂東市内の30か所に点在し、茶摘みの時期が少しずつずれるよう調整して栽培しています。茶葉は鮮度が命。茶園毎に順番に、摘んだ新芽をその日のうちに加工していくためです。製茶は、「荒茶製造」と「仕上げ」の大きく2つに分けられます。荒茶に適度な寒暖差のもと、うまみや栄養を蓄えながら成長するさしま茶。新芽を摘む最適期の見極めも重要摘み立ての新芽を自社工場で加工し、安全安心な製品に仕上げる甘さ控え目で、濃厚なお茶の風味が口いっぱいに広がるアイスクリームも人気3

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