Cha-ble_Vol27
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13中山道の街道筋、紅花で栄えた宿場町。 桶川駅の駅前には、昭和レトロの古色を帯びた商店街が続いていました。桶川は江戸と京都を結ぶ中山道の桶川宿として栄えた宿場町。日本橋からおよそ十里(約40キロメートル)、江戸を出た旅人が1日歩いてたどり着く宿場町として格好の位置にあったのです。 街道筋には往時を偲ぶ旅館や店蔵が今も点在しています。その中の一つ、武村旅館は宿場町の旅籠の姿を残しつつ今も営業を続ける旅館。由緒を紹介する案内によれば、桶川宿には大名や公家が宿泊する本陣や脇本陣のほか、一般庶民が宿泊する旅籠が多くあり、その数は江戸時代末期に36軒とあります。少し歩くと、本陣跡や蔵造りの商家跡もありました。 このあたりは当時、高価な染料として取り引きされた紅花の一大産地であったことから各地から紅花商人が訪れ、「紅花宿」の異名で多くの富と文化をもたらしていたようです。今も毎年6月になると「べに花まつり」が開催され、摘み取りや染め物が体験できるなど、紅花をシンボルにしたまちづくりが行われています。 小腹が減ったので、通りのうどん屋さんへ。実は桶川は、「荒ぶるうどん」と呼ばれる手打ちうどんの名店が多いグルメタウンでもあるのです。その特徴は圧倒的なコシの強さと小麦の味わい深さ。すするというより、しっかりと噛みしめて味わううどんです。 お店を出て一本路地に入ると、美しい朱塗りの山門がありました。仁王像を安置する浄念寺は桶川宿最古の建造物。そんな時間旅行を楽しめる桶川にも、フードスクエアフレスポ桶川坂田店があります。おけがわ(埼玉県桶川市)絵=古山 浩一

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