Cha-ble_Vol27
2/16

イチゴの   農場で地域を再生する23・11の記憶小濵 なぜ「ミガキイチゴ」と名付けたんですか?岩佐 ダイヤモンドも最初はただの原石。それを磨き上げ宝石にするというイメージですかね。 職人の技にIT(情報技術)を組み合わせ、抜群の香りと甘さに磨き上げる。それでミガキイチゴなんです。小濵 ITをイチゴ栽培にどう活用するんですか?岩佐 イチゴを育てる際の温度や湿度、二酸化炭素の量や水質などは長年培ってきた農家の勘と経験による判断が大きかったのですが、この農場ではベテラン農家の指導のもとハウス内のセンサーでデータを収集・分析し、それらを数値化して24時間最適な環境にコントロールして高設養液栽培を行っています。 教育にもITを活用し、従来なら習得に15年かかると言われていた栽培技術を新規就農者でもできるようにしています。小濵 都内のIT起業家が、なぜ被災地で農業を手がけるようになったんですか?岩佐 私は宮城県の沿岸部にある山元町で生まれ育ち、二十歳の頃に東京に出て2〜3年はパチプロやニートをやっていました。その後、ITベンチャーを起業して経営していたところ、東日本大震災が起きて、故郷である山元町も津波で大きな被害を受けました。 妻の実家が福島で、第一子の出産を控え震災前日に妻一人で帰省していたんです。私は東京でニュースを見て愕然として、とにかくありったけの物資を車に載せて現地に向かいました。それが3・11の記Cha-ble対 談株式会社カスミ取締役会長小濵 裕正農業生産法人 株式会社GRA代表取締役CEO岩佐 大輝氏×イチゴひと粒1,000円「ミガキイチゴ」のブランド名でイチゴを生産・販売するのは8年前の東日本大震災を機に生まれた農業ベンチャーGRAその挑戦を支える想いと戦略とはIT

元のページ  ../index.html#2

このブックを見る