Cha-ble Vol28
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保育と食育で地域貢献にんじんが嫌いで家では一切口にしなかった子どもが、カスミいいねの森保育園の給食で初めてにんじんを食べ、お迎えに来たお母さんに大いばりで話しました。それからは家でも喜んでにんじんを食べるようになり、食卓に載る回数がぐんと増えたとのこと。また、保育士から「今日も納豆を食べましたよ」と聞いた別のお母さんは、「えっ、家ではイヤイヤして絶対食べないのに」と目を丸くして驚いたそうです。2019年7月16日に開園してからわずか数か月の間に、こうしたエピソードがたくさん生まれています。食べることは生きること。食に携わる企業として、食育に力を入れているのが大きな特徴です。当園は、内閣府が主導する「企業主導型保育園」として開園しました。これは2016年に始まった国の事業で、待機児童対策の切り札として期待されているもの。会社がつくる保育園のメリットは、働き方に応じた柔軟な保育サービスが提供できることと、従業員だけでなく地域の子どもの受け入れができることです。カスミでは、従業員が仕事と育児を両立できるよう、年中無休の店舗営業に合わせ365日預けられる保育園としました。また、茨城県内でも特に待機児童が多いつくば市に開園し、定員の半数を地域の子どもに充てることで地域貢献を目指しています。園庭に野菜畑がある保育園場所は、カスミ本社の敷地内。広大な敷地は樹木や芝生広場など緑豊かで、どんぐり拾いをしながら安心して散歩をすることができます。また園舎に面した園庭には、遊具や砂場に加え畑まで。園児にとって、野菜を育て収穫するという体験は遊びの延長。ごく自然に食への関心が育まれる環境が整っています。園舎に入ると、保護者と保育士がゆとりを持って交流できるふれあいホールに迎えられます。園舎内は木の温もりに包まれ、幼児室には園庭に面した大きな窓から明るい陽射しが降り注ぎます。この恵まれた環境で、思い切り体を動かして遊び、お腹がペコペコになったら美味しくご飯を食べる。その生活リズムが食育の土台です。瞳が輝く給食の時間訪ねた日の給食は、ご飯、白菜のすまし汁、ひじきの煮物、鶏の照り焼き。目の前に並ぶ和食に、子どもたちが瞳を輝かせます。静かに手を合わせて、「いただきます」とあいさつをして食べ始めました。すると栄養士が、大きな写真を手に子どもたちに話しかけます。「これなーんだ?」「にんじん!」「何色ですか?」「赤」「オレンジ」と元気いっぱいに返事。「にんじんはどこに入っているかな?」と聞くと、得意そうにひじきの煮物を指さす子どもたち。「土の中でかく❶木の温もりが優しい園児室で伸び伸び過ごします❷カスミ本社敷地内は園児たちの安全な遊び場❸天気の良い日はできるだけ外へ出ます❹遊具が充実した園庭は園児たちに人気❺保護者と職員がゆっくり話せる「ふれあいホール」子どもたちの生きる力を育む食育と給食❶❷❸❹❺

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