Cha-ble Vol. 31 2020年6月
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10 その名の通り、卵の殻は桜色。割ってみると黄身が大きめなことに気づきます。そのため、生や半熟で味わうと黄身の旨味とコクが堪能でき、料理やお菓子づくりに使えば色良く風味豊かに仕上がります。 さくらたまごの親鶏「さくら」は、日本生まれの日本育ち。日本で育種改良された純国産鶏は、国内の親鶏のうちわずか数%しかいない希少な品種です。遺伝子組み換えでない収穫後無農薬のトウモロコシを主食とした飼料を与え、ストレスの少ない開放鶏舎で大切に育てられています。 あじたま販売代表取締役の大川智子さんは、強い信念を持ってさくらたまごを市場に届けてきました。 「さくらは体が大きいので場所を取るし、餌の量も多く、それでいて産卵率が悪いんです。しかも開放鶏舎は集卵も清掃も人海戦術で、手間が何倍もかかります。放っておけば生産者が減り、純国産鶏が絶えてしまいます。でも、自分の孫に食べさせたいと心底思える卵を、お客さまに届けたい。だから何としてでも守り続けます」 55年に及ぶカスミとの取引で、さくらたまごを販売し始めたのは約30年前。当時、食の安全安心への意識が高まる中、付加価値の高いさくらたまごはお客さまの心をつかみました。 「スーパーマーケットに出荷するのは初めてでしたが、宣伝をしないのに売り上げが伸びていくのをみて、良い商品はお客さまに伝わるのだな、やっぱり本物は強いな、としみじみ思いました。たくさんのお客さまがカスミさんでさくらたまごを知り、長年のファンになってくださいました。今年創立60周年を迎えるカスミさんから学ばせていただいた商いの王道が、そのまま私たちの歩みに重なります」 あじたま販売では関東を中心に生産者ネットワークを構築し、うち2つの養鶏場で計20万羽のさくらをカスミ用に確保。産まれた卵はその日のうちにGPセンターに届き、徹底した衛生管理のもと洗卵・選別・殺菌・分別・パック詰めが行われます。そして毎日2万パックのさくらたまごが、早ければ当日の夜、もしくは翌日の早朝にカスミ全店に届きます。 今年から新たに、カスミの店内でふっくらと焼き上げた玉子焼(写真)を販売。さくらたまごの美味しさを、より一層手軽に味わえるようになりました。あじたま販売株式会社(茨城県稲敷市)さくらたまご衛生・品質・鮮度管理を徹底して卵を商品化するGPセンター(上)。卵一筋55年の代表取締役・大川智子さん。飼料にこだわる純国産鶏卵

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