Cha-ble Vol. 31 2020年6月
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4庁、つくば市役所、土浦市役所、県内の無人店舗オフィススマートショップなどを巡回。お客さまは完熟のトマトを一番おいしいタイミングで食べることができるのです。今のところ運行は週に3日。今後はさらにバス停を増やしていく予定です。地産地消の新しいカタチ 生産者はおいしい野菜を新鮮なうちに届けたい。しかし、市場を経由する流通網では収穫してから届くまでに多くの時間と距離がかかり、野菜の鮮度は落ち、輸送コストも高く、これが農家にとっても、購入者にとっても課題になっていました。 こうした社会課題の解決策として誕生したのが共同配送システムの「やさいバス」。地域の生産者と利用者をつなぐこの仕組みを開発・運営するのは静岡県のソーシャルベンチャー、やさいバス株式会社です。 インターネットで受発注できるEC機能、そして生産者と利用者を直接結ぶコミュニケーション機能を併せ持つ点が特徴で、サービス開始からわずか4年で静岡、茨城、神奈川、長野などに展開を拡大。地域の農家が出荷した農産物をレストランやスーパーなど地域の利用者にその日のうちに届ける仕組みは、生産者と利用者の双方に利益をもたらし、地域経済の活性化にもつながっています。 「茨城県は南北に長いので、県南部と県北部で野菜の旬にタイムラグがあります。そのことを利用して、やさいバスで県内産地リレーをやってみたいですね」 そう話すのは、やさいバス営業統括部長の梅林泰彦さん。また、野菜だけでなく、規模は小さくても地域で愛され続けるパンや納豆といった加工食品を、やさいバスで運ぶ構想も計画中。 「農業に限らず地元の商工業にも貢献できたら」(梅林さん) 地域経済を活性化する可能性を秘めた地産地消の新しいカタチが動き始めています。生産者のメリット消費者のメリット¬販路が拡大する¬消費者のニーズがわかる¬配送の手間が減る¬採れたて新鮮な野菜が買える¬生産者の顔が見える¬生産者と対話できる完熟状態ですぐに食べられるミニトマト市場出荷の場合は完熟の3〜4日前に収穫するのが一般的ハウス4棟で1,400本のミニトマトを栽培する川上農園品種ごとに特徴のあるミニトマト数種類を栽培しているやさいバス(静岡県牧之原市)梅林泰彦さんやさいバスの仕組み

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