(茨城県取手市)歌舞伎あられ池田屋伝統製法のあられ・おかき専門店一口噛んだ瞬間に、サクッと軽やかな食感と鼻に抜ける芳ばしいお米の香りに魅せられます。生地の旨みが際立つ、まさに王道のあられ・おかき。定番から新作まで約50種類というバラエティに富んだ味付けは、どれもお米の風味を引き立てる絶妙なバランスが保たれています。創業は昭和8年。三代目当主で代表取締役の池田裕児さんに、お店の由来を聞きました。「祖父が銀座の歌舞伎座裏にあったあられ屋で修業し、暖簾分けで巣鴨に出店したのが始まりです。戦中に祖母の実家がある取手に疎開。この地で祖父から父、そして私へと、昔ながらの製法と地元のご縁を大切に受け継いできました」国産もち米をはじめ、土浦の柴沼醤油、大洗港水揚げのしらす、筑波山の福来みかん、茨城県産ごぼう、千葉県産ピーナッツ、北海道産大豆、瀬戸内産生海苔など、厳選した国産材料を使用。製造は職人の丹念な手作業に支えられ、中でも特徴的な製法が「生切り」「天日干し」です。 「お餅をついたその日のうちに、柔らかいまま型に入れて切るから生切り。難しい製法なので、県内で2社しかやっていません」。見るからにふっくら仕上がったあられは、表面はカリッ、中はふわっとした驚くほど軽い新食感です。 「天日干しの方は、冷蔵し固めてから切った生地を使います。天日干しをすると、お米の旨み成分が抜けず、噛んだ時の"ほぐれ"も全然違います。乾燥の頃合いを見極めるのは職人技の世界。機械乾燥に比べ何倍も手間がかかりますが、おいしいものをつくるためなので譲れません」。天日干し商品のうち、「九重」が全国菓子大博覧会で名誉総裁賞を受賞。看板商品の一つとなっています。最近は、揚げもちがヒット商品に。「より幅広い世代に味わってほしい」と商品化し、売上の3割を占めるまでになりました。 2020年には、工場近くに直売の拠点となる新店舗をオープン。店内に入ると、36匹の鯉の壁画(木村英輝作)に目を奪われます。「生まれ育った地域を少しでも明るくできるような、地域のシンボルとなる近所の人たちが集える店舗にしたかった」という池田さんの思いが込められています。カスミでは藤代店、フードスクエアカスミ学園店、フードスクエアカスミ大穂店、松ヶ丘店、フードスクエアカスミイオンタウン守谷店、取手ゆめみ野店、富士見ヶ丘店、フードスクエアカスミライフガーデンみどりの店、BLΛNDEつくば並木店、BLΛNDE研究学園店、プルシェつくばキュート店に13アイテムを提供。贈答用や茨城土産としても人気を集めています。「他の菓子類に負けず、米菓の価値を高められるよう、お客さまの期待を裏切らない商品をつくっていきます」と語る池田さん。あられづくりの技を磨き、愛情を注いで、食べる喜びと選ぶ楽しみを届けています。「味の決め手は職人技と愛情です」と語る三代目・代表取締役の池田裕児さん国産や地元産素材を使用し、味も食感も驚くほど多彩なあられ・おかき経営理念の「伝統と革新」を体現した新店舗10
元のページ ../index.html#10