cha-ble vol35
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農家の安定成長が持続的な生産と「食」の安定につながる。(2023年4月29日、田村きのこ園にて収録)魅力ある農業ざまな食べ方を提案してお客さまの反応を調べました。その中に「サラダで食べると小ネギはすごくおいしい」という声が多くあり、生で食べる水耕栽培の良さを生かして商品化しました。    9 などで実践しています。イベント出店の屋台では目の前にいるのは5人だったお客さまが、SNSのライブ配信では200人の視聴者になりました。情報量が桁外れに多くなるのがオンラインの良さですね。山本 店にあるデジタルサイネージで生産者のライブ配信が可能です。たとえば、鹿児島の漁師さんと売り場をつないで、獲った魚を並べて漁師さんとお客さまが対話する。すごくウケます。栗原 山本 産にまつわる苦労話や開発秘話といったストーリーには、「おいしそう」「食べてみたい」「誰かに伝えたい」と思わせる作用があるようです。実はストーリーやメッセージを伝えるということが、ブランディングには非常に重要です。コロナ後は同じことをSNSを使ったライブ配信生産者が伝える力は強いですよ。カスミは全わかります!人は、半分は脳で食べると言われますが、生私たちもグリーングロワーズというオリジナルブランドを展開していますが、「あなたのカラダはあなたが食べたものでできている」というメッセージを発信しています。うちに来るお客さまも、川島 買って帰るだけの方は少なくて、「食べておいしかったからまた来ました」とか、「どうやってつくっているのですか」とか、興味を持って来てくださる方が多いですね。山本 大事なことがもう一つあって、それはお客さまの食卓にどんな料理で並んでいるか。それがわかると売り方も変わります。 「小ネギをサラダで」といったら、ぬたではなく、ドレッシングですよね。「椎茸をステーキで」といったら日本酒ではなく、白ワインといった具合に。こうした情報を生産者と小売が共有することが大事なのです。川島 「福王しい茸」はアヒージョがおすすめです。白ワインと相性抜群です!山本 小ネギはキムチもいいですよね。栗原 「栗原農園のネギキムチ」はめっちゃ、ごはんと合いますよ!この前、卵かけごはんにのせたらすごくおい川島 しかったです!うちの企業理念は「おいしく楽しく野菜と栗原 お米で笑顔に」です。何よりおいしいことが前提で、次に食べた人にどう楽しんでもらうか。新しい発見があると、毎日の食生活が楽しくなって笑顔が増えますよね。そんな商品をつくっていれば、スタッフも商品に自信を持ち、仕事にプライドを持てます。農業は暮らしと産業のベース、人々に笑顔と喜びをもたらす仕事。だから、消費するだけの食べ物にはしたくないんです。川島 私は学生時代からいろいろな農家さんと関わってきました。その中で感じるのは、どの生産者もこだわりを持っているんですが、その魅力がうまく伝わっていないのも事実です。でも魅力って、実は本人も気づいていなかったりして、かえって外部のお客さまが見つけて、認めて、磨かれることが、生産者の安心感ややりがいにつながって続けられると思うんです。私自身、地元にこんな素晴らしい椎茸があることを親方と出会うまで知らなかったので、これからはたくさんの人に届けられるようにして、地域の宝を未来につなげていきたいと思っています。山本 未来の子どもたちの食を守るために、地域の農業を一緒に盛り立てていきましょう。今日はお二人に会えて希望が持てました。ありがとうございます。山本 慎一郎(やまもと しんいちろう)1959年7月24日生まれ。2013年3月カスミ入社、14年5月常務取締役上席執行役員ロジスティック本部マネジャー、17年3月専務取締役上席執行役員、18年3月ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングスICT本部長(現任)、19年3月ビジネス変革室マネジャー(兼務)、ビジネス変革室ビジネスリモデルマネジャー(同)を経て20年3月代表取締役社長に就任。

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