社是の「地域密着」を企業のDNAとしてつないでいく(2024年11月20日、茨城県石岡市の木内酒造・八郷蒸溜所にて収録)を見ました。ご飯三盛り、お酒三献、ほかに海産物、野菜、塩…、毎日朝夕2回、1千500年前から1日も休むことなく続いている儀式だそうです。DNAのように連綿と続く日本の食文化の奥深さに心を動かされました。れますよね、その想いを聞かせてください。を取得しました。10年前から事業化の準備を始め、2020年から筑波山麓の八郷蒸溜所で製造しています。ンタッキーバーボンにせよ、ローカルを極めたブランドは世界に通じる名酒の代名詞になっていますよね。ています。木内 塚田 木内 塚田 木内 木内さんもジャパニーズウイスキーを造っておらウイスキー造りは時間がかかりますよね。お金もかかります。(笑)スコットランド生まれのスコッチにせよ、ケ日本もそれを造らなくちゃいけないと思っ塚田 木内 塚田 木内 ジャパニーズウイスキーが世界で勝負する上で一番必要なことは何ですか?従来のジャパニーズウイスキーは、外国産の原酒を混ぜ、外国産の麦で造ってきました。我々は主原料に国産の大麦、小麦、米などを使い、日本でしかできないウイスキーを造ることが最大の使命と考えています。国産麦の原材料費は外国産麦の5倍ですが、我々は農家から1年分をまとめて買い付けます。自社でも麦栽培を行い、製麦工場も建設しました。30%まで来た国産比率を、2年後には51%超にします。これからの食のあり方についてどうお考えですか?食は不便であるべきだと思っています。便利になってみんなが同じものを食べると、ローカルの良さがなくなるからです。先日、スウェーデンから来た18人のシェフたちと交流したのですが、北欧では野山に生えているものは誰の土地のものであっても取って食べていいというルールが徹底しているそうです。それくらい食と生活が一体化している。日本と比べたら不便かもしれないけれど、その分、新鮮でローカルなものを安く食べられる。茨城の産物が茨城で循環する食、地域のものを普通に食べられる食文化が定着すればいいなと思います。同感です。私は日ごろから「期待通りを無理なく維持できるお店にしよう!」と従業員に言っています。期待以上とか感動とか、確かにそれも大切ですが、そのために誰かが無理をして継続できなければ意味がありません。私たちは食卓に喜びを届けることが仕事ですから、食べる楽しさを大切にすることが地域貢献にもつながると思っています。酒はコミュニケーションツール、人と話しながら良い酒を適量飲むのが酒の楽しみじゃないかと思っています。そういう場に「あるべき酒造り」が私は好きです。楽しむための食と向き合うことが大事。ありがとうございました。塚田 木内 塚田 食と地域のあり方カスミの新業態BLΛNDE店内のBARで量り売りしている「日の丸ウイスキー」生ハムやソーセージを製造する八郷蒸溜所併設の「常陸野ハムBARREL SMOKE」工房15年前、「日の丸ウイスキー」という商標 5塚田 英明(つかだ ひであき)1964年茨城県生まれ。86年4月、株式会社カスミ入社。2020年5月常務取締役上席執行役員。22年5月専務取締役。24年3月代表取締役社長。
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